障害者が語る福祉サービスの話
こんにちは。
最近は梅雨時期のセオリーを飛び越えるくらいの大雨が続く日々ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。この大雨は果たしていつ終わるのだろう…。
最初に大雨の被害がニュースになったとき、急いで実家に連絡したのですが我が母親は相変わらずケロッとしていました。(幸い洪水被害もない地域でそもそも実家がハザードマップ上でも洪水等の被害にあいにくい地形だったので一安心しましたが…)
コロナはまだまだ収束の目途が立たず、そこに踏んだり蹴ったりな大雨。たまりませんね。
こうやって様々な事情が重なると、どうしても生活や将来に対する不安はつきものです。私もずっと抱えていた鬱に加えて障害が判明してから、現在進行形で生活に不安を抱えています。何せまだまだ働ける目途が立ちません。(特に休職中に衰えた体力が一向に戻らない)
そんなとき、何が辛いかって私の場合は金銭の不安もしかり、何をどこに相談したらいいのかが分からないことでした。
ある程度行政の福祉サービスが充実しているのは分かっているつもりでも、窓口を探す気力すらない。
でも、今は運よく色んなご縁が重なって本当にたくさんの方に適切な支援を受けることができています。こんなに転げ落ちたけど、今何事もなく毎日生きてることに本当に感謝…。
ということで、今回は障害を抱える私から見た、福祉サービスについて書いてみたいと思います。決してサービスの網羅はしていませんし、あくまで自分の忘備録でもありますが、割といろんなところにお世話になっている人間なので、この記事がどこかの誰かの役にもし少しでも立てるなら幸いです…!(障害の診断がなくても使えるサービスも紹介します!)
- 自立支援医療(※障害診断の有無問わず)
- 障害者福祉手帳
- 障害年金
- 基幹相談支援センター(※障害診断の有無問わず)
- ハローワーク(障害者専用窓口)
- 就労移行支援事業所(※障害診断の有無問わず)
- 居宅介護支援(ホームヘルパー)
- 就労継続支援A型・B型
自立支援医療(※障害診断の有無問わず)
障害を抱える方はその疾患を治す為に病院に定期的に通院する必要があります。その費用を行政から支援してもらえる制度です。(具体的には保険加入で3割負担だったものが自立支援医療適用で1割負担になります。お薬も。)
身体・精神の障害の種類は問いませんので、例えばストレスを抱えてうつ病で長期通院が必要になってしまった…!という方でも利用できます。(身体の場合は手術を伴う場合に限りますが)かくいう私もこの制度は中学時代からずっとお世話になっています。
診察費はもちろん、精神障害の場合お薬代がまあ高い!!新薬もどんどん出ているのでジェネリックが適用できないお薬もまだまだかなり多いです。
そんな時にこの制度は強い味方。
①住んでいる地区の役所・役場・保健福祉センターなどに相談して既定の診断書をもらい、
②医師にその診断書を書いてもらって
③役所に提出すれば 大まかに手続きは終わるので、かなり手続きも楽なほうです。
気になった方は通院している病院の主治医さんに相談してみてください。
障害者福祉手帳
これは結構メジャーだと思いますが、いわゆる障害者手帳のことです。こちらも障害の種類は問いません。身体・知的・精神(発達障害は精神に含まれます)問わずこちらも自立支援医療と手続きはほぼ同じです。自立支援医療と併用して申請する場合は、診断書1枚で済むのでこちらは要確認。
手帳を持つデメリットについて懸念される方も多いと思います。私も以前は少し抵抗がありました。
ただし!手帳を持つことによるデメリットは2年に1回の更新時に診断書料がかかるくらい。会社には申告しなければ手帳持ってるなんてバレませんし、手帳を持つことで普段の生活にかなりメリットが生まれます。(いうてここだけの話、会社のほうも障害者の法定雇用率がだんだん上がっている関係で、人事に報告すると逆に喜ばれたこともあるよ…悔しいけど…)
私が受けているメリット
・税金や保険料が安くなる
・NHKの受信料が安くなる(等級や課税状況による)
・携帯電話会社の割引がある(キャリアによって内容は変わる)
・失業手当の支給期間が延びる(詳しくは後述します)
・就職する際に障害者雇用の選択肢が増える
・その他、該当施設の入場料等の割引がある!
…こう並べてみるとかなりメリット大きいですよ。特に該当施設の割引に関しては一度ググってみてください。県や市の施設じゃなくてもいろんなところで割引が受けられます。
個人的にすごく嬉しかったのはユニバの入場料割引(笑)(ディズニーも割引あるよ!)そして付き添い人一人までその料金が適用されるので友人や彼氏・彼女と遊びに行くときも使えるね!!やったね!!
ただし注意してほしいのは障害等級によって適用される・されないが変わる場合もあること。そこは要確認です。あと、精神の等級認定は主治医の診断書の内容にもよりますが等級が軽視されがちな印象(笑)目に見えない障害だからね…
障害年金
こちらもメジャーになってきました。障害年金。こちらは、障害を持っている方が老齢年金(65歳以上)を待たずとも年金を受けられる制度です。未成年者も可。
ただ。手続きはかなり面倒くさいです。私は最初に年金事務所に相談に行ってから申請書類を提出するまで約5ヶ月かかりました。そして出してから審査して認定可否が出るまでも結構長い。(ネットでは2~3ヵ月が目安とありますが、精神の場合ソーシャルワーカーさん曰く半年は見ておいてと言われました。そんな私も現在3か月経過、未だ審査待ち。)
また、申請する要件も年金となるとかなり今までの制度よりは厳しくなります。
簡単に言うとこんな感じ。ここは絶対。
・障害が発生してから1年6ヶ月以上その障害の治療の為の通院をしている
(証拠が必要なので転院している場合は前の病院に遡り証明が必要になる)
・過去1年間の年金の未払いがない
(それ以前の未払い期間があった場合はかなり審査に時間がかかります。
我が母がそれ。ちなみに未成年で申請する場合は関係なし)
詳細は年金事務所に聞いたり、ネットで調べてください。基本は自分ひとりで調べて書類を仕上げて申請する、なんてことはお勧めしません。(私はやったけど精神的に超辛い)過去の既往歴を記入する書類などもありますし、是非周囲の支援者を頼ることをお勧めします…。
基幹相談支援センター(※障害診断の有無問わず)
ここは、各自治体に設置されている障害者やその家族のための地域に密着した支援窓口です。そして、状況に応じて各サービスの紹介や適切な相談支援機関と繋いでくれたりします。
要するに困りごとがあったときにはまずここに相談してください!!
いうて福祉を大学でほんの少しだけ勉強した(爪の垢くらい微々たるもん)私も知りませんでした。知ったのはここ1ヶ月の話。平成24年に設置されるようになったとのことなので、それぐらいここ数年で障害者支援の必要性が認知されてきているとのことでしょうか…。
ただ、「地域に密着している」かつ「様々なパイプを持っていて」、「行政が設置しているセンター」なので、相談して損は絶対ない!!!と私は思います。
直接の面談が難しくても電話やFAXなどでも対応してくださるので、とりあえず今困っていることを相談すること、これ大事。
ほらちょっと迷ってるそこの人、「〇〇(自治体) 基幹センター」で検索して!今!!笑
因みにお金の管理ができないよ~とか、今後就職どうしたらいい??とか、それこそ、今もうお金底尽きてます!!暮らしていける自信がありません!!!とか。なんでも聞いてくれますし、いろんな支援機関に繋いでくれるので一人で調べるより絶対いいです。これは嫌だってことがあったら嫌だって言っても私の担当の方はちゃんと聞いてくれる(笑)
ハローワーク(障害者専用窓口)
障害者雇用での新たな就職を考えている方や、先程言った万が一仕事を辞めてしまった時の雇用保険手続きなんかは障害者手帳があればこちらの窓口で対応してもらえます。
障害者窓口に登録したからといって、一般枠での就職ができないということはないのでご安心ください。あくまで障害者雇用枠という選択肢が増えるだけです。なので、障害者窓口に登録している方だけに向けたハローワーク主催の企業合同説明会の案内が来たりします。あとは、障害者雇用に必要なナビゲーションシート(自分の障害の取扱説明書)の作り方や、その元になる自己分析・過去分析などもお手伝いしてもらえます。
ここで先程述べた手帳のメリットである「失業保険の支給期間が延びる」について少し説明しますと、通常直近1年以上雇用保険加入があれば失業保険の支給日数はおよそ3ヶ月。これが手帳があるだけで300日に延びます。もう一度言います。300日です。
会社を辞める時、様々な理由があるとは思いますが、障害者の中には不適応や体調不良で仕事を辞めてしまう方も少なくないと思います。私もそうです。そんなとき、これだけ保障があれば焦らず体調を戻したり、自分に合う就職先を探したりできるのでかなりメリットになるかと思います…!
就労移行支援事業所(※障害診断の有無問わず)
ここは、何らかの困りごとが原因で退職した…。仕事がなかなかうまくいかない…。でも就職はしたい!!!(ざっくり)って人を支援してくれます。ハローワークとの違いは、生活面のアドバイスも手厚くしてくれたり、ハローワークに登録されていない企業への就職斡旋をしてくれたりします。就職するために企業の見学や企業での実習も斡旋してくれます。事情があってすぐ再就職ができない方にはおススメです。
ちなみに就労移行を利用したからと言って、障害者雇用枠で働かなければいけない訳でもなく、再就職先の企業に障害があることを隠して一般枠として働くこともできます。ここらへんは個人の自由です。どちらを選ぶのか、どちらが自分にとって働きやすいのかをいろいろ試しながら考えられるのも移行のいいところ。
ただ就労移行は本当にいろんな事業所があります。まず、障害者が利用するとしても扱っている障害の区分が決まっていたりとか(身体・知的の利用者が多いとか、発達障害専門とか)、それこそ社会復帰に向けたカリキュラムの内容も事業所によって大きく変わります。仕事に通ずるスキルを重視する事業所もあれば、スキルよりも周囲とのコミュニケーションの取り方を重視する事業所もある。
ここはちょっと大変だけど、興味がある・利用したいと思ったらひとまずいろんな事業所へ相談・見学に行って自分に合う場所を探してください!
就労移行は就職後の定着サポートもしてくれるので、尚更自分に合う場所を見つけないと逆にしんどくなりますよ。私も資料請求や実際の相談等で4~5カ所は接点を持ちました。今通っている事業所は今の私にとっていちばん必要なことを教えてくれるし、何より心の安定が保てる場所ができたので本当にここを選んでよかった!!!と心から思っています。といってもなかなか体力は戻らないけどね(笑)
居宅介護支援(ホームヘルパー)
「介護」というとよくいうヘルパーさんが自宅に訪問して身の回りをお手伝いしてくれる、あれです。
ただ、皆さんがイメージしがちなのは高齢者向けの「訪問介護」だとは思いますが、実は障害者でも手帳を持ち、行政から必要と認められれば「居宅介護」という名の支援を受けることができます。私も鬱が酷くなると家のことが何も手につかなくなるためただいま申請中。
ちなみに何をしてくれるかというと…
・家の中の掃除・洗濯
・調理や買い出し同行
・病院への訪問同行
・入浴介護や排泄の介護 などなど。
行政からの審査が降りる際に、1ヶ月の利用限度時間が一緒にお知らせされるので、その時間内に収まれば何度でも自分に必要な支援を選んでお願いすることができます。
私の場合は今のところ、週2日・各1.5hで申請をしています。審査が降りれば料理の作り置きや家の中の掃除、買い出しの助言などをお願いする予定です。
ちなみに申請するときに支援の計画書類みたいなものを出すのですが、申請書類はひとりで作るのはかなり無謀なので、周りに相談できる方がいない!という方はとりあえず行政の福祉課窓口に「計画相談」をお願いしてください。そうすると計画相談専門の支援員さんが聞き取りをしながら計画を立てて代わりに書類を作ってくれます。支援員さんはヘルパー事業所との契約にも立ち会ってくれるので必ず!頼みましょう!!
就労継続支援A型・B型
こちらは一般企業への就職が難しい方が、働きながら一般企業への就職を目指すための支援です。就労継続支援事業所(A型事業所・B型事業所と言われることが多い)という場所で働いて賃金をもらうことができます。
…という名目ではありますが、別に利用期間に制限はないので自分に合うと感じれば何年も事業所を利用することは可能です。私の母もデイケア通いだけの毎日が飽きた!と事業所でこつこつ働き始めてもうすぐ4年目です。
ちなみにA・Bの主な違いは賃金と雇用契約の有無です。
A型:雇用契約を結び一般企業での就職を目指す。最低賃金以上が保障されている。
B型:雇用契約はなく、就労するための訓練。賃金は工賃なので最低賃金を下回る。
自分に合わせて働き方を選ぶこともできるし、就労の継続支援が主なので事業所によっては色々とイベントもあって余暇も楽しめます。私の母の事業所では時期が来るとバス旅行や運動会があって毎年運動会のダンスの練習が嫌!!!と言いながらもなんだかんだ行事にはよく参加しています。(笑)
今回はこのように簡単に福祉サービスを紹介してみました。いかがでしたでしょうか。
ちなみにこれだけ述べましたが、中学のころから鬱に罹患しながらも半分以上はここ1年以内で知った・利用し始めたサービスです。お陰様で今は主治医・クリニックのソーシャルワーカーさん・就労移行のスタッフさん・基幹センターの支援員さん・計画相談支援員さん…などいろんな方にお世話になりながらなんとか生活を立て直しにかかっています。しかも全ての方が連携してくださってるので、いい意味で私の情報は筒抜けです(笑)もちろん他の支援者さんに開示しないでほしいとも言えますし、基本的には同じことを二度も三度も話す必要がないのが楽で本当に感謝。
でも、なんでこんなにいろんな場所と繋がれたかというと、あらゆるサービスを情報を知れたから。情報を知れたのは、たまたまだけどいい病院・私の現状をよく理解してくれる主治医・ソーシャルワーカーさんに巡り合えたからです。母が今いろんな機関と繋がれているのも同様。
今、色々と困っている方が今の生活を変えるきっかけには、必要な情報を知り、必要なサービスを受けることがとても重要だと思います。そのためには、当事者がサービスを知ることはもちろんのこと、一人でも多くの方がサービスの存在を知り、周りの困っている方を機関に繋げることができることが大切です。
もし、そのための一助になることができたなら、最初にも述べた通り本当に幸いです。
今、なんらかの支援を必要としている方が適切な場所と繋がれてもっと生きやすくなる世の中になればいいなと思うばかりです。
私も一歩ずつ、頑張ります。暗い世の中ですが、みんなで頑張りましょう!
それでは、今日も明日もその先も、笑顔でいられますように🌻